No 03

深 淵 2
F8

46 × 38

この深淵というテーマではすでに数枚描いています。描くたびに私のまぶたの裏のイメージとは異なって見えます。どこまでも深い青と目の覚めるような一直線に伸びたオレンジ色に輝く水平線。
この小さな作品は4作目になります。眼科に広がるはずのツンドラの大氷原は姿を消し、深い闇に溶け込んでしまいました。
「地は形なく、むなしく、闇が淵のおもてにあり」
大地はカオス(混沌)の状態にあって、ただ「神の霊が水のおもてをおおっていた。」もはや描ける対象物ではありません。観る人のイメージを広げてもらうしかありません。画面は単調の方がさまざまなイメージが浮かびます。画家が手を伸ばしえるのは「神は「光あれ」と言われた。すると光があった。」瞬間の映像だけでしょう。
光がぐんぐんと広がっていく。闇の世界がまばゆい光で覆われていく。なんと壮大なイメージでしょう。



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