No 4

緑の表現
F8

46 × 38

今までの私の作品を見慣れた人にとってこの絵はとても戸惑うものになるでしょう。「これは何ですか?」という質問が聞こえそうです。
「私の新しい試みです」とお答えしておこうと思います。そもそも私はある種の色が使いたくて題材を選んでまいりました。黄色を使いたいから菜の花畑を描きました。紫色を使いたいからラベンダーを描きました。特に最近では深い青色を使いたいので夜明けの景色を描きました。
でももうそんな姑息な手段を使わなくてもいいのではないのか。色を使いたいのだったら色だけをのせればいい。出したい色が最も映えるように画面にのせていけばいいと考えはじめたのです。いいえ。画面がそのように要求し始めてきたといったほうが正確です。
絵画とはいったいなんでしょうか? そもそも架空の空間ではないでしょうか。架空の空間である以上「物」から発散される色、光も画面そのものが発散させる色、光も実は同等なのです。だとしたら、純粋な色画面もよいのではと思い始めたのです。



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