私はもっぱら昔ながらの油絵の具を好んで使っています。
最近ではアクリル絵の具を使う人が多くなりました。
扱いやすい事が第一の理由なのでしょうが、私は油絵の具の質感の方が断然好きです。
上からオランダ・レンブラント社のFlake White(シルバー・ホワイト)。 鉛を材料にした白です。
昔から鉛白はよく使われてきました。何と言っても発色が美しいのです。
また他の色と混色したときにその色を食いません。どういう事かと言いますと、チタニウム白やジンク白は混ぜたときに褪せたような感じを残します。
この辺のところは、感じ方に個人差があるかもしれません。左がフランス・ルフラン社のBleu Espace(スペース・ブルー)。 ルフランには青色の種類が豊富にあります。色合いもはで過ぎず、使いやすいように調合してあります。この色はほんとにフランスの空の色なんですねぇ。そのままペタペタと塗りたくなるときがあります。
右下が、ベルギー・ブロックス社のTerre de Sienne(バーント・シェンナー)。
ブロックス社には土系顔料の絵の具が豊富です。とても使いやすい色合いからこんなの何に使うのだろうと首をひねりたくなる色合いまでさまざまな茶系の色がそろっています。
フランドル絵画の流れがあるのでしょう。土系顔料の絵の具はクラシックな絵を描こうと思う人には欠かせません。
また土系顔料系の絵の具は堅牢なのも注目されます。非常に安定しているために何百年たってもその色合いが変わりません。土系顔料の絵の具だけで大体の色合いを表現すること不可能ではありません。以上、私がふだん使ってる絵の具から序論にさせてもらいました。
油絵の具はとても扱いづらいのですが、ちょっとしたこつを呑みこむ事で不思議なくらいになじんできます。その辺のところを詳しくお伝えできればと考えています。(つづく)
1999.11.11