絵の具の話の続きです。

−第一話−

<絵の具の話し(3)>

今度は本当に間があいてしまいました。7年ぶりです。

今回も「乾燥」についての話です。

この文章はもともと初心者に向けて書きました。

ですから内容もどこにでもあるよなものになってしまいました。 読んでくださる方もつまらないでしょうが、書く方はもっとつまらないです。

ここで少し独特な展開にしましょう。私の経験に基づいた技法の覚え書きです。

あまり言われていないことですが、乾燥時間をコントロールするコツをお伝えします。

それは下塗りをして十分に乾燥させることです。

油絵の具は本当の乾燥には7年以上かかります。それまでは生乾きの状態です。

一週間も置けば十分でしょう。

あるいは乾燥促進剤を使って、第一層を生乾きの状態にしてしまうことです。

だいたい手で触れてもあまりつかない程度にまでします。一日もあれば十分でしょう。

下塗りをして、デッサンでもしていればいいのです。

油絵の具は生乾きの状態ではもとに戻ろうとする性質があります。

その上に塗られた絵の具を同等の性質にしてしまうのです。

つまり同じような生乾きの状態をすぐに作れるようになります。

この状態は非常に描きやすく、次に塗る絵の具ともよく馴染みます。

しかも引っ掻いたりするようなことはありません。

急いで描くことも、ゆっくりじっくり描くことも自由自在です。

それからチューブの絵の具はあまり溶剤で薄めないようにしましょう。

ちょうど使い良い状態に練ってあります。

市販の絵の具はただでさえ顔料が少ないので、薄めると手応えのない発色しかしません。

つづく
2011.9.1


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