今度は本当に間があいてしまいました。7年ぶりです。
今回も「乾燥」についての話です。
この文章はもともと初心者に向けて書きました。
ですから内容もどこにでもあるよなものになってしまいました。 読んでくださる方もつまらないでしょうが、書く方はもっとつまらないです。
ここで少し独特な展開にしましょう。私の経験に基づいた技法の覚え書きです。
あまり言われていないことですが、乾燥時間をコントロールするコツをお伝えします。
それは下塗りをして十分に乾燥させることです。
油絵の具は本当の乾燥には7年以上かかります。それまでは生乾きの状態です。
一週間も置けば十分でしょう。
あるいは乾燥促進剤を使って、第一層を生乾きの状態にしてしまうことです。
だいたい手で触れてもあまりつかない程度にまでします。一日もあれば十分でしょう。
下塗りをして、デッサンでもしていればいいのです。
油絵の具は生乾きの状態ではもとに戻ろうとする性質があります。
その上に塗られた絵の具を同等の性質にしてしまうのです。
つまり同じような生乾きの状態をすぐに作れるようになります。
この状態は非常に描きやすく、次に塗る絵の具ともよく馴染みます。
しかも引っ掻いたりするようなことはありません。
急いで描くことも、ゆっくりじっくり描くことも自由自在です。
それからチューブの絵の具はあまり溶剤で薄めないようにしましょう。
ちょうど使い良い状態に練ってあります。
市販の絵の具はただでさえ顔料が少ないので、薄めると手応えのない発色しかしません。
(つづく)
2011.9.1